クローズアップ 2017  輝きの女たち

“妊活”励む女性の集い毎月開く
情報交換の場「ママなるカフェ」

若林 和恵さん
NPO法人「マリアグレイス」 理事長

 夫からのプレゼントというワンピースとボレロ風のカーディガンを素敵に着こなす。菜の花色が春の訪れを告げる。才色兼備。早稲田大学時代は芝居をかじった。女優の室井滋は「大先輩です!」と大きく笑った。
 大学を卒業後、IT系企業に就職。32歳で結婚。赤ちゃん誕生を待って10年間、不妊治療を続ける。複数の病院にかかり治療の日々。「治療中は本当に長くて真っ暗なトンネルのなかにいるようでした」。体外受精や顕微授精、人工授精などの治療は経済的にも、時間的にも、また精神的にも女性に大きな負担がかかる。
 当事者の声を国に反映させたい。保険適用の実現に向けて署名運動をスタートさせたのは2001年。活動の成果は03年、初めて「特定不妊治療助成金制度」が国の政策として取り入れられ04年から実施された。当時の厚生労働大臣は坂口氏。「何度もお会いしました。保険適用の実現には至らなかったものの、助成金制度ができたことは当事者にとっては大変うれしいニュースでした」。
 夫婦ともに不妊要因は特定されず10年に及んだ〟妊活〝を卒業した。自身の体験を通して「くじけそうになる妊活期のご夫婦を支え、ひとりでも多くの赤ちゃんが誕生することの手伝いがしたい」。13年9月、NPO法人「マリアグレイス」を身近な人の賛同を得て1人で立ち上げた。妊活中のママたちが集う「ママなるカフェ」を毎月1回開くほか、ウォーキングを楽しむ「おさんぽ会」、活動を知ってもらうエールナプキンの作成など様々。
 「ママなるカフェ」は妊活中の女性たちが情報交換をしながら励まし合う集いだが、専門家を招き不妊治療で服用する薬の正しい飲み方や、夫婦円満のボディーメークの講話、不妊治療助成制度の内容や申請方法などの役立つ情報も学ぶ。
 表誌撮影に同行したMさんはマリアグレイス主催の妊活講座を知り参加した1人。いまではリーダーとして会を運営する。「無理をせずゆったりとした会です。女同士だから話せることも多く、落ち込まず、赤ちゃんがきてくれることを願っています。皆さんご夫婦がとても仲がいいんです」と話す。
 IT関係で知り合った夫は、NPOを立ち上げてすぐ東京転勤が決まった。彼女の活動に理解を示し単身赴任中。「感謝ですね。でも月の半分は東京で一緒です」。  趣味は観葉植物を育てること。真っ白な花びらを咲かせるスパティフィラムが好きだ。山にもよく登る。今度はこの山と一つ一つ制覇し今は富士山。今年の夏に3回目の富士登山。いつも夫と一緒だ。幸せな暮らしを目の当たりにする。なぜNPOを…という質問に「結婚した証がほしかった。今の自分にできることは妊活中のママたちをサポートすることです」。


 ●プロフィール  大分市生まれ。上野丘高校から早稲田大学文学部へ、1991年卒業。IT系企業勤務。ひとりっこということもありUターン。衆議院議員大分事務所、参議院議員国会事務所勤務。広報やホームページ等の作成に携わる。32歳で結婚。約10年間、不妊治療を続けるが子どもを授かることができず妊活を卒業。2013年NPO法人マリアグレイスを設立。妊活期の夫婦を支え「ひとりでも多くの赤ちゃん誕生」を願って活動。ママなるカフェ、お散歩会を企画する。大分市在住。    


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