MY LIFE 2019  輝きの女たち

フラメンコに心を鷲掴みされて28年
生命のエネルギー迸るライブ12月、大分で

太田 マキさん
フラメンコ舞踊家

 聴くことも見る機会も少いフラメンコのライブが12月、市内の2会場である。情熱的にかき鳴らすギターのリズムと艶やかな踊りに心を奪われ熱くなる。「日本人の感性、演歌に似ている」と話す。
 東京外国語大学スペイン語学科卒業。クラシックバレエやピアノを学んだが大学の学園祭で見た先輩のフラメンコにかっこよさを見てサークルに入部。「ギターの乾いた音に訪れたこともないスペインの景色が見えるようだった。フラメンコを習い始めると、慣れ親しんだクラシックやポップスにない12拍子という独特なリズムに魅せられ、夢中になった」。
 21才でセビリアに語学留学。語学を学ぶはずが無我夢中でフラメンコを見て、習って、頭の中はフラメンコ一色。本場で触れた数々のアルテに感銘を受けフラメンコに傾倒していった。
 「大自然や野生動物のように軽やかな自由さと、迫害され放浪し、差別されてきた暗い家族の歴史を背負った人生の深淵が共存しているのがジプシーのフラメンコ。彼らが受け継ぎ引き継いできたフラメンコを目の前にすると、言葉や決まりが全てわからなくても心を鷲掴みされる。生命の根源的なエネルギーをいつも感じる」。
 帰国後、岡本倫子スペイン舞踊団に13年間所属。公演に多数出演し華麗なるフラメンコの世界を踊った。教授活動等の経験も積み、2010年に独立。東京、神奈川、千葉にバレイ(踊り)クラスをスタート。渡西しスペインアーティストに学びタブラオライブ、故郷大分でのリサイタルの企画上演、DVD出演など精力的に活動の場を広げていった。
 出身地・大分を活動の拠点に。「自然なフラメンコを求める事は自分の本来の素の姿と向き合う事。都会にはないインスピレーションを九州の大自然に感じる」16年11月「おおいたとスペインをつなぐ会」設立。クラウドファンディングでギター20本を購入。九州の小学校で鑑賞教室ワークショップなどを積極的に開くほか、別府のスタジオでフラメンコのレッスンも行っている。ライブやワークショップなど年間40〜50本をこなす。先日、久しぶりに2週間、スペインに遊んだ。
 「フラメンコに限らず歌い、踊り、奏でる事は人の慰めであり、祝いなのでは。生活とともに歌があり、踊る楽しみがあれば、でこぼこの生きる道が少しでも明るくなると信じています。難しさや苦しさもありますが、乗り越えるとまた新しい景色が見える。そうやって28年間過してきました」。実家は府内町の太田旗店。47才。
 フラメンコダンサー・太田マキさんが出演する公演。12月13日ブリックブロック「FLAMENCO LIVE」、12月21日ジェラテリアふくろうで「ルシアノ・ゴーン大分ライブ」。



あなたの身近な「ひと」の情報をお寄せ下さい。

過去1年間の表紙の人たちを見る