MY LIFE 2019  輝きの女たち

世界が認めるオリーブ油開発
大分とフランス食≠フ懸け橋

高野 悦子さん
オリーブオイルソムリエ 清風庵代表

 「オリーブオイルを食べる」と表現する。ハーブ研究家の母のもとで育ち、中学の頃からオリーブオイルは常に身近な食として食卓にあった。東京の大学在学中、料理研究家に師事、卒業後パリの有名料理学校「ル・コルドン・ブルー」に進み、料理・菓子のグランディプロム、パンのディプロムを取得した。オリーブオイルを学び商品開発を手掛ける中でフランス料理にも和食にも合うオリーブを求めて世界各地を巡った。認知予防になることも知った。あれこれ試めしてみたが納得できなかった。そんな折、ネットで見つけたのが南仏プロバンスの小さな村レ・メで無農薬で約5000本の木を栽培するフレデリック・ビナルテさんの農園だった。
 「まだ出会ってもいないのに初恋の人に会えるときめきを感じた」と今もその時の気持ちの高揚が蘇る。2013年11月。その足で単身フランスに飛び農園を訪ねた。農園の中央に搾油する工場があり収穫から2分で搾油する。誠実な製法は衝撃的だった。フレッシュな香りと味は格別だった。
 「大分で紹介したい」。初恋の思いは通じ独占輸入権を取得。南フランスで委託生産し輸入するという一連の起業を一人で手掛けてきた。14年には輸入販売する南仏産エキストラバージンオリーブ油「バラディ」が国際コンテストで金賞に輝いた。16年には県産カボスとユズを輸出し、エキストラバージンオリーブオイルとブレンド。カボスとユズは宇佐市で農薬を使わずに栽培された600sを空輸。日本の柑橘の爽やかな風味とオリーブ油のブレンドは海外の企業やシェフに認められヨーロッパ各国や台湾で販売。昨年秋は全日空(ANA)国際線ビジネスクラスの機内食「銀鰈のソテー 麦のリゾット添え大分県産かぼす風味の白ワインソース」にかぼすをブレンドしたオリーブオイルがソースの材料として採用された。
 カボスとユズの香味オリーブオイルは17年・18年「オリーブジャパン・国際エキストラバージンオリーブオイルコンテスト」でともに金賞を受賞した。
 全ての始まりは6年前のフレデリックさんとの出会い。彼が農園の後継者になる前は数学者だったこと、彼がオリーブ一家の1人で著名なオリーブ学者もいたことなど後から知ることになる。初恋の相手はすごい人だった。
 ファンデーションなしのすっぴんだがキメ細かな肌は美しい、「自然体が一番です」と大らか。大好きな日本とフランスの懸け橋にスーツケーツ一つでビジネスする姿をフランスでは「大分の女性大志」と呼んでいる。大分の調味料の輸出も手掛ける。「ローカルから世界へ」。地元大分では母が営む府内町のシャルダン・アッシュでオリーブオイル教室を開き「食べることに出会った」人に次世代の商品を熱く伝える。中島に家族と暮す。



あなたの身近な「ひと」の情報をお寄せ下さい。

過去1年間の表紙の人たちを見る