MY LIFE 2020  輝きの女たち

墨絵に彩色を融合させた独自の墨彩画
画歴50年、未知の世界に挑む表現者

小米良 洋子さん
1月14日から新春作品展を開く画家

 短くカットしたおかっぱヘアが印象的だ。「コシノジュンコに似ている」と言われるが、個性では決して負けてはいない。お気に入りのファッションを着こなし強烈なパッションを放つ。
 墨絵に彩色を施した独自の技法「墨彩画」を築き数々の賞を受賞。新年1月14日から25日まで荷揚町のぎゃるりーら・ぱれっとで「小米良洋子新春作品展」を開く。同ギャラリーでの個展は5年ぶり、16回目。花を中心に30点展示する。
 画歴50年。独学でここまで来た。高卒後、鶴崎パルプに入社。退社後に興味のあった絵画教室で油絵を学ぶ。二紀会の講師との出会いが絵の世界へと舵を切らせた。「ほめられて二紀展への出品を薦められた」。78年以降95年まで連続入選。94年には奨励賞を受賞した。人形をモチーフにした作品は多い。
 この頃、絵での1本立ちを覚悟し20年勤めた会社を辞した。油絵にはない、独自の表現を求めて水墨画研修のため中国・西安へ留学したのは96年。3ヵ月の間、陝西省歴史博物館にて方老師に師事。24時間水墨画に熱中。一筆で描く墨絵は墨の濃淡だけではなくバックの空間処理に色をつけ、重厚にみえる技法。「強くて、やさしい」という難題を自分に課した。
 帰国後、全国水墨画秀作展、全日本現代水墨画展、全国公募水墨画大賞展などの展覧会で入賞。98年には大分銀行駅前支店で個展。朝日に映える桜から夕日に照る桜の一連を描ききった大作だ。大銀本店での個展は22年続いた。女の一生や風神雷神、大分の民話などを題材に大銀の壁いっぱい14mにも及ぶ物語は観る人を圧倒した。「未知のことをするのは楽しい」と言う。全精力で挑む大作は強いインパクトを与え次作を待つ新年の恒例の個展となった。
 水墨画といえば山水画、山紫水明をイメージするが、油絵を基礎とし独自に編み出した墨彩画は、構成の巧みさ、絵画としての完成度が高い。07年には東京・日本橋で個展。県美展の入賞も多数。
 「三度のメシより絵が好き」と直球の言葉。現在は絵画教室を週4回。母を看取り1人暮らしだが日々の日常生活もある。絵書きモードに切り替えるのは車の運転中。新春作品展は目前。不要なものは整理し終活もすませた。「新年は羽ばたけそう。私、なんだかやさしくなったの」と童女のような笑み。15年にわたって個展を開いてきたぎゃるりーら・ぱれっとのオーナー、上野美晴さんは「女1人で頑張って絵を描いている彼女をずっと応援している」と話す。
 これからも力の続く限り絵を描いていきたい。50年も続けてこれたのは「ハングリーだったから」と言いながらも「私、運がいいの。金運がいいの」と。強くてやさしい墨彩画のような人だ。



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