MY LIFE 2021  輝きの女たち

家で過ごす患者の生活全般を笑顔でサポート
朗読とやみつきになった落語はライフワーク

牧野 照美さん
訪問看護ステーション メイプル 看護師

 「みんなが笑ってくれる、楽しんでくれる。落語がやみつきになった」と笑顔がこぼれる。和楽亭よもぎの名で朗読と落語の講座を行う。古典や新作もの。立川らく朝の健康落語は認知症や糖尿病が題材。本職が看護師だけに、聴く人を笑いの渦に巻き込む。「笑いは息をはき、声を出す。心と体を元気にします」。
 竹田市生まれ。竹田高校卒業後、川崎市の看護学院へ。川崎市立川崎病院に就職。昭和58年、大分医科大学附属病院が開院し入職。約32年間、看護師の経歴を重ねる。もともとはアナウンサー志望?川崎の病院に勤務しながら東京アナウンス学院に入学し学んだ。結果として看護師の道を選んだが朗読読み語りグループ「ポケットの会」に属し小学校の読み聞かせや朗読劇を行うなど好きな道を形にしてきた。
 平成15年以降は1人で活動。国東の梅園の里・天球館の屋上で宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んだ。星空の下、BGM入りで賢治の精神世界を感動的に朗読した。ビーコンプラザで吉永小百合とジョイントした朗読も強く思い出す。
 やみつきになった落語との出会いは6年前。矢野大和さんの話し方教室に入ってから、大和さんが「やってみらんかい」と。教室の受講生7人で「大和笑学校」をつくり年1回発表会を行っている。今年は11月に予定されている。
 本職の看護師の仕事は大分医科大病院を退職後、小規模の介護施設に3年間勤務し、現在は訪問看護ステーション「メイプル」に勤務。看護師の1人として自宅で診療を望む患者をドクターの指示に従い24時間体制でサポートする、様々な部署で経験したことが生かされる。何よりも「患者の立場になって、何とかしてあげたい」と取り組む代表者の姿勢に突き動かされる。この職場を選んでよかった。「毎日が楽しいです。一緒に働いてくれる方、募集してます」とアピールする。
 緩和ケアの医療は病院とは異なり、家族に見守られての看取り。その生活全般の安定を支えるのが訪問看護師の役目。「家で過ごせる患者さんに自分たちは何ができるのか。その人らしい思いを受けとめ、家族が悔いの残らないよう、それぞれの考え方をサポートする」。
 患者の家を訪問する時も元気や笑いは欠かせない。大分県糖尿病療養指導士、医療的ケア教員、心理支援士、大分県人権問題講師団、アンガーマネジメント・ファシリテーターの資格を持つ。「笑顔と安らぎのプレゼンテーター」を自認する。「困っている人、大変な人を救いたい」というストレートな思いと自然な笑顔が相手を包み込む。「自分らしく、笑顔で生きるために必要なこと」は朗読や落語でも学ぶ。グリーンの着物が新緑に映えさわやかな風を運んできた。3人の子どもはそれぞれ独立、63才。



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