クローズアップ 2018  輝きの女たち

いつも行く美容院や飲食店を舞台に公演
演劇、朗読、写真、文章など多彩に表現

時枝 霙さん
金平糖企画主宰

 お下げ髪にジャンバースカート、ソックス。カメラの前に立つ姿は、スタジオという異空間をステージにいまにも演劇が始まりそうな気配。近い距離感で何が起ころうとしているのか。不思議な空気が流れる。
 医師と表現者の二足のわらじ。演劇、朗読、文章、写真など活動は多彩。「色々な表現を試したい」と気づき、実験室としての「金平糖企画」を2014年立ち上げて主宰する。県内はもとより長崎、熊本、福岡など年間10公演。作・演出・出演・音楽を担当する。「面白いと思ったものを提示したい」と、劇場だけではなく美容院や飲食店などを舞台に異世界への入り口を見せてくれる。
 「出演者はフツーにお客として入って来る。美容院や飲食店はいつも行くところ。別世界を作るのではなくちょっとだけ異空間で起こる出来事。わたしの感覚と受け取る側の感覚のズレ、違いを感じるのが楽しい」。生音が好きだからとアコーディオンやピアノをステージで弾くことも多い。主役を演じるより、その他大勢の役が好きだという。
 出身は島根県。幼少の頃からピアノを始め高校まで音大を目指したが3年の時に「才能がない」と自分を見つめ進路を変更。担任の先生から「医大なら」とアドバイスを受け医科大学に合格。入試直前に文系から理系へ。本が好きな少女で「本ばっかり読んでいた」という。卒業後は大分に住み医師として働く。寺山修司の死後、天井桟敷を引き継ぐ演劇実験室「万有引力」に引かれ働きながら演劇活動を始める。
 医師としての仕事と、演劇は似ているという。「患者様、お客様が入って完全になるということ。患者様、お客様が主体であるということ。あるひとつのことをいろんな立場の人たちで力を合わせ作りあげていくこと。本質の理解を共有しないといけない。医師と演出家も似ていると思います」。
 演劇というカタチにとらわれない創作はジャンルにこだわらずアーティストともコラボ。古典から近現代の戯曲を声に出して読む会を不定期に開催している。
 新作『試着室』は7月28・29日に福岡の「いじ☆かるスタジオ」、8月7・8日に大分市中央町のスペース「bosque/ボスケ」で公演。ストーリーは?メッセージは?そんな不要の予備知識は持たず、ちょっとだけ異空間で?る楽しさ「面白〜い」を受け止めて。


●プロフィール
島根県出身。医学博士。勤務医を勤めながら演劇活動を始める。
2014年、創作ユニット「金平糖企画」を立ち上げる。
朗読ユニット「カザハナ」メンバー。大分県内外で年に数回の公演を行う。
金平糖企画では、作・演出・出演・音楽(アコーディオン、ピアノなど)を担当。
劇場だけではなく美容院、飲食店などを異空間への入口として公演を行うことも多い。
新作「試着室」は7月に福岡、8月に大分で公演。市内で暮す。


あなたの身近な「ひと」の情報をお寄せ下さい。

過去1年間の表紙の人たちを見る