MY LIFE 2020  輝きの女たち

78才から俳優修業し映画、舞台と活躍
別府の文化発信に尽力鴿子の部屋≠

高橋 鴿子さん
聴潮閣企画室 室長

 「鴿子さん」と親しみを込めてこの人のことを呼ぶ人は多い。気どりのない柔和な話しぶりに会話が弾む。85才。別府を代表する文化人だ。嫁ぎ先の文化遺産、昭和初期の近代和風建築「聴潮閣」の移築復元保存維持に努め、放浪の詩人画家・佐藤溪の絵に出会ったことが由布院と別府に美術館設立へと駆り立て20余年に渡って運営してきた。そうして今「本業は俳優です」と言い切る。役者のスタートは78才。
 臼杵市出身の映画監督・故塩屋俊さんが設立した演技学校「アクターズクリニック大分」に入校。塩屋さんから「女優として育ててみたい」といわれた。国東の演劇学校やワークショップにも参加。埼玉県立芸術文化振興財団が60才以上の出演者を大募集した「1万人のゴールドシアター2016」に九州から1人参加。さいたまアリーナで開かれた大群集劇のジュリエット600人の1人として大舞台を踏んだ。他にも大分国民文化祭のオープニングイベントや短編映画に出演。所属する地元プロダクションよりモデルとしてCMや県宣伝動画「ラッ婆」など。「全て婆さんの役です」と笑う。
 2年前、地元劇団として設立したBUNGO新喜劇に所属。昨年、全国一斉公開された「Life on the Longboard 2nd Wave」に病院に通院する老婆役で出演。種子島の撮影で泉谷しげるとも。別府ブルーバードでも上映された。役名もあり「エンドロールにはそらんハトコ≠ニ大きく出たの」と嬉しそう。
 自身のことを普及魔、好奇心で動く人という。自由な感性、暮らす別府を見つめるあたたかい眼差し。周囲が放っておかないのも事実。別府・日出に放映されるCTBメディア「ひるまえとんぼテレビ」のキャスターになったのは6年前。毎週火曜、鴿子さんが気になる人をゲストに迎えて話を聞く30分間のトーク番組は鴿子の部屋=H。別府商工会議所会頭西謙二さん、伊藤京子さん、立木しげ子さんらを招いた人気番組。
 生まれは別府だが昭和9年に誕生し、すぐに家族と共に東京へ移住。日本女子大学文学部英文科中退し結婚を機に昭和32年より別府市民となる。夫・欽一さんは91才。これまで生きてきてよかったことは「夫との結婚」と手離しに夫を讃える。鴿子さんがすることへの禁止事項は唯一クルマの運転だけだった。金婚式の記念にベネチアに10日間旅した。2人でオセロを楽しむことも多い。
 新年の初仕事は1月4日、大分祝祭広場で開かれたBUNGO新喜劇の寸劇。ロミオを演じた埼玉とも交流は続き1月中旬、同クラスの総会で「反省しても後悔はしない」と題して講演した。俳優修業と別府での文化活動。今年の目標は「映画に出たい」と女優の心意気。



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