クローズアップ 2018  輝きの女たち

障害児の未来をつくる親子パン教室
女性起業者コンテストで最優秀賞

中川 望さん
親子パン教室mir(みーる)
代表


 3月2日、市内のホテルで大分県初の女性起業者向けビジネスアイデアコンテスト「おおいたスタートアップウーマンアワード」が行われた。42名がエントリーし最終審査で選ばれたファイナリスト7名が、自らの想いとアイデアを5分間で発表、最優秀賞に輝いた。女性たちそれぞれの熱い想いが伝わり会場は熱気に包まれた。サポート企業による賞も発表された。
 「ビックリしました。経験も浅く、恐縮しました。でも、自分がいかに小さな視野で生きてきたかを知る貴重な体験でした。一歩を踏み出す勇気をもらった。チャレンジし続ければ解決策が見つかることを学びました」。大きな会場で自分の想いを発表するのは初めての体験。みんなに正しく伝わるように福祉の専門分野にとらわれず「自分の言葉」で話した。
 発表したアイデアは「発達を促し、個性を活かす 障がいを持つ子どもの未来をつくる親子パン教室」。高校の頃からボランティアで障がい者と関わってきた。それがきっかけで福祉大学に進み、障がい者と共に生きることがあたり前の生活。卒業後は病院で医療ソーシャルワーカーとして勤務。結婚し、子育てをするなかで好きなパンづくりを活かして自宅で「親子パン教室mir(みーる)」を主宰する。その過程で障がいのある子どもが親子パン教室に参加できない現実を知る。出張レッスンを実行したのは自然の成りゆきだった。
 「生地をこねたり、形成したり。パンづくりの工程そのものが訓練になります。言葉よりも触れあうことで習得することも大きい。子どもたちの能力の高さに思いがけない発見もある。1人ひとりの個性をのばしていき、障がい者の講師養成プログラムを作り自立を支援したい」。
 アイデアコンテストではこの賞をきっかけに企業からの支援も受けた。野菜農園とのコラボや金融機関への事業計画の提出など。将来につながるパン教室の希望も見えてきた。親子パン教室の拠点となる場所、施設の拡大、パンづくりの修練の場とともに販売も手がけたい。
 「障がいのある子もない子もいろんな個性が入りまじって楽しくパンづくりができると思う。その中に小さいころから一緒にパンをつくってきた障がいのある子が講師になっている姿がイメージできます」と感情豊かに話す。賞金50万円は「出張レッスンの時の道具を購入します」。


●プロフィール
 宇佐市で生まれる。
宇佐高校時代からボランティアで障がいを持つ子どもと関わり成長していく過程に感情を揺さぶられる。
特別支援学校の教員を目指して日本福祉大学に進む。在学中は障がいを持つ人と共に生きることはあたり前。
特別支援学校や通園施設でヘルパーのアルバイト等から様々なことを学ぶ。卒業後は病院で医療ソーシャルワーカーとして勤務。
仕事のあとのリフレッシュにパン教室に通いパンづくりの楽しさにはまる。
長女を出産後、保育士として働く。2013年、次女を出産後、念願だった親子パン教室をスタート。
2017年、西大分の自宅マンションに親子パン教室「mir(みーる)」を独立。
障がいを持つ子どもの親子パン教室の出張レッスンをスタートさせる。
今年4月から宇佐に移住。同級生だった夫と結婚。6才、4才、1才の3姉妹を育てる33才の元気はつらつなママ。


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